大阪公立大病院で駐車料金91万円が未払い?看護職員が停職3か月になった理由
「病院の駐車場で、どうすれば91万円もの未払いが生じるの?」
そんな疑問が浮かぶニュースが大阪で報じられました。
大阪公立大学医学部附属病院の看護職員が、病院の駐車場を不正に利用していたとして、停職3か月の懲戒処分を受けたのです。
本来支払うべきだった駐車料金は、91万8500円。さらに、公共交通機関で通勤すると申請しながら車で通い、通勤手当も不正に受け取っていたといいます。
ただし、91万円を現金で受け取った事件ではありません。 駐車料金の未払いと、通勤手当の不正受給が重なった問題です。
そして、もう一つ見逃せないのが、障害のある人のために設けられた駐車サービス券まで不正に使われていたという点です。

※ 本文中の画像は、記事の理解を助けるためにAIで制作したイラストです。実際の写真ではなく、人物・場所・状況の表現が実際と一部異なる場合があります。
このニュースを理解するには、病院の駐車料金の仕組みと、職員がどのようにサービス券を利用していたのかを分けて考える必要があります。
看護職員は何をしていた?未払いと不正受給の違い

2026年10月28日、公立大学法人大阪は、大阪公立大学医学部附属病院に勤務する看護職員を停職3か月の懲戒処分としたと発表しました。
報道によると、問題になった行為は大きく三つあります。
- 公共交通機関を利用すると申請しながら、無断で自動車通勤をしていた
- 通勤目的の利用が認められていない病院駐車場を使っていた
- 面会者向けや障害者向けの駐車サービス券を不正に取得・使用していた
2026年1月から8月にかけて、こうした不適切な利用が続いていたとされています。(MBSニュース)
問題になった金額は二種類
| 項目 | 金額 | 何が問題だったか |
|---|---|---|
| 通勤手当 | 5万1200円 | 申請と異なる方法で通勤し、不正に受給 |
| 駐車料金 | 91万8500円 | 本来支払うべき料金が未払い |
通勤手当は、職員が勤務先から不正に受け取ったお金です。
一方、駐車料金は、本来支払わなければならなかったのに支払っていなかった金額です。
同じ不正でも、お金の流れは異なります。
そのため、二つを単純に足して「約97万円を受け取った」と考えるのは正確ではありません。
なぜ駐車料金が91万8500円にもなったのか?

91万円を超える金額になった背景には、2026年4月からの駐車料金改定と、一般利用には1日の料金上限がない仕組みがあります。
大阪公立大学医学部附属病院では、2026年4月1日に駐車料金が改定されました。
それ以前は60分300円、当日最大1500円という料金体系でしたが、改定後は利用者の区分によって料金が大きく異なる仕組みになりました。
2026年4月以降の料金
| 利用区分 | 駐車料金 | 当日最大料金 |
|---|---|---|
| 外来患者など | 60分300円 | 1500円 |
| お見舞い | 60分500円 | 1500円 |
| 一般利用 | 20分500円 | 上限なし |
ここで注目したいのは、一般利用の料金です。
仮に一般料金で8時間駐車すれば、単純計算で1万2000円になります。1日1500円で済む患者向けの料金とは、負担が大きく異なります。
もちろん、これは料金体系を理解するための計算例です。今回の職員が毎日8時間駐車していたと確認されたわけではありません。
公表された91万8500円は、実際の利用状況などを踏まえて算定された未払い額と報じられています。
なぜサービス券で安く利用できた?
病院の駐車場には、診療を受ける患者や面会者などに応じた料金制度があります。
また、一定の障害者手帳などを持つ人には、条件を満たした場合に駐車サービス券が発行されます。
病院の公式案内では、こうしたサービスは対象者本人が車を運転しているか、同乗している場合に限られると説明されています。
ところが今回の職員は、対象者ではないにもかかわらず、障害者向けサービス券を取得して無料で駐車していたと報じられました。(MBSニュース)
なお、報じられているのは障害者向け駐車サービス券の不正利用です。障害者専用の駐車スペースを実際に占有していたかどうかとは、分けて考える必要があります。
不正はどのように発覚した?1月から8月の経緯

今回の問題は、2026年8月に同僚が不審な駐車場利用に気づき、大学法人に報告したことで発覚したとされています。
それまでの経緯を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 報じられた経緯 |
|---|---|
| 2026年1~3月 | 無断で自動車通勤。駐車料金は支払っていた |
| 4~5月ごろ | 面会者向けサービス券を使って割引料金で駐車 |
| 5~8月ごろ | 障害者向けサービス券を取得し、無料で駐車 |
| 8月 | 同僚の報告をきっかけに問題が発覚 |
| 10月28日 | 停職3か月の懲戒処分を発表 |
(MBSニュース)
面会者向けサービス券から障害者向けサービス券に切り替わった正確な日付までは明らかになっていません。
同僚は何に気づいたのか
報道によると、8月に同僚が、職員が退勤後に駐車場へ向かう姿を目撃しました。
さらに、駐車場から出る際に料金を支払っていないように見えたことから、大学法人に報告したといいます。
今回の不正は、日常の駐車場利用を見ていた同僚の報告がきっかけで表面化した形です。
職員はなぜ車で通勤していたのか
職員は大学法人の聞き取りに対し、車通勤のほうが出発直前まで家のことができるという趣旨の説明をしたと報じられています。
また、自分でサービス券を発行できると知り、不正に使ってしまったとも説明したということです。
ただし、そうした事情があったとしても、通勤方法を偽って手当を受けたり、本来の対象者ではないサービス券を使ったりすることが認められるわけではありません。
なぜ停職3か月?解雇ではないのか

今回の処分は、職員を解雇するものではなく、3か月間勤務を停止させる懲戒処分です。
大阪公立大学医学部附属病院の職員就業規則では、懲戒処分として戒告、減給、停職、諭旨解雇、懲戒解雇などが定められています。
第50条によると、停職は1日以上1年以内の範囲で勤務を停止し、その期間中は給与を支給しない処分です。(公立大学法人大阪・病院職員就業規則)
つまり今回の停職3か月は、3か月間働くことができず、その間の給与も支給されないという意味になります。
91万円の未払いなら必ず解雇になる?
必ずしもそうではありません。
就業規則には、法人に損害を与えた行為や信用を傷つけた行為などを懲戒の対象にできる規定があります。
一方、金額が一定以上なら必ず懲戒解雇になる、あるいは必ず3か月の停職になるという一律の基準が示されているわけではありません。
今回の法人の判断には、通勤手当の不正受給だけでなく、駐車場の無断利用やサービス券の不正取得も関係しています。
ただし、なぜ停職期間をちょうど3か月としたのか、細かな量定判断までは公表情報だけで断定できません。
お金を返せば処分はなくなる?
返済と懲戒処分は別の問題です。
病院職員就業規則の第53条には、故意または重大な過失によって法人に損害を与えた場合、懲戒処分とは別に損害の全部または一部を賠償させる旨の規定があります。
今回の職員は、不正に受け取った通勤手当と未払いの駐車料金について、返納・弁済の意思を示していると報じられています。
ただし、2026年10月28日の報道で確認できるのは返済する意思を示したことまでで、全額の支払いが完了したとまでは確認できません。
また、今回公表されたのは大学法人による懲戒処分です。逮捕や刑事裁判による有罪判決があったという意味ではありません。
病院の管理体制にはどんな問題が残ったのか?
今回の問題では、職員個人の行為に加え、サービス券をどのように発行・管理していたのかも課題になります。
報道によると、職員は病院内の発券機を自ら操作し、サービス券を不正に取得していました。
本来は患者や面会者など、決められた条件に該当する人に適用される料金制度です。
そのサービスを職員が不正利用できたという事実は、利用資格の確認や発券の管理方法を見直す必要性を示しています。
公立大学法人大阪は再発防止策として、次の対応を進める方針を示しています。
- 通勤手当など給与支給に関する実績確認の徹底
- 駐車サービス券の管理体制の見直し
- 職員研修などを通じた法令遵守意識の向上
(MBSニュース)
現時点では、発券機の操作権限や利用履歴の確認方法を具体的にどう変更するかまでは明らかになっていません。
今後は、不正を防ぐための仕組みがどこまで整備されるのかが問われます。
なお、今回の報道は職員による駐車場の不正利用についてのものであり、患者への医療行為に問題があったとするものではありません。
【結論】このニュースは、こう理解すればいい
大阪公立大学医学部附属病院の看護職員が停職3か月になったのは、単に駐車料金を払い忘れたからではありません。
実際には、公共交通機関で通勤すると申請しながら車で通い、通勤手当を不正に受け取り、病院駐車場のサービス券も不正利用していたとされています。
未払い駐車料金が91万8500円に達した背景には、2026年4月以降、一般利用の駐車料金が20分500円、当日最大料金なしとなった仕組みがあります。
そして今回の処分は解雇ではなく、3か月間給与が支給されない停職です。未払い料金などを返すこととは別に、職場の規律違反について処分されたことになります。
個人の不正行為を処分するだけでなく、サービス券が適切な人に発行される仕組みをどう確保するのか。病院側の管理体制の見直しも、今回のニュースを理解するうえで欠かせない点です。
大阪公立大病院の駐車場不正、気になる疑問から読み解く
Q. 駐車料金91万円は、本当に支払っていなかった金額ですか?
報道では、本来支払うべきだった駐車料金が91万8500円とされています。職員が受け取った現金の金額ではありません。
Q. 不正に受け取った通勤手当はいくらですか?
5万1200円と報じられています。駐車料金の未払いとは別に確認された金額です。
Q. いつから不正に車で通勤していたのですか?
2026年1月から8月にかけて、申請と異なる自動車通勤をしていたとされています。駐車料金の支払い方法は途中で変化していました。
Q. なぜ一般駐車料金はこれほど高いのですか?
病院の一般利用料金は、2026年4月から20分500円、当日最大料金なしとなっています。患者や面会者向けの割引料金とは異なります。
Q. 障害者専用駐車スペースを使っていたのですか?
今回報じられたのは、障害者向け駐車サービス券の不正取得・利用です。専用駐車スペースを占有していたとまでは確認されていません。
Q. 停職3か月の間も給料は支払われますか?
いいえ。病院の職員就業規則では、停職中は勤務できず、その間の給与は支給しないと定められています。
Q. 職員はすでに91万円以上を返したのですか?
2026年10月28日時点の報道では、返納・弁済する意思を示したとされています。全額を支払ったかどうかは確認できません。
Q. 今回の職員は逮捕されたのですか?
確認できるのは大学法人による停職3か月の懲戒処分です。逮捕や刑事裁判での有罪判決があったとする情報は確認できていません。
Q. 病院は再発防止のために何をするのですか?
通勤手当の実績確認、駐車サービス券の管理体制の見直し、職員研修などを進める方針を示しています。
今日のニュースほどき、理解の助けになりましたか?🙂
これからも、ニュースの「なぜ?」をやさしく、わかりやすくほどいていきます!
主な情報源
懲戒処分・不正利用の経緯
MBSニュース:大阪公立大学医学部附属病院の看護職員を停職3か月、駐車料金未払いとサービス券不正利用
駐車料金・サービス券の制度
大阪公立大学医学部附属病院:交通アクセス・2026年4月改定後の駐車料金