東京で37日連続の雨、毎日ずっと降っていた?「観測史上最長」の本当の意味

「37日連続で雨」と聞くと、どんな光景を思い浮かべるでしょうか。

朝から晩まで毎日ずっと雨。洗濯物は乾かず、青空も一度も見えない――そんな37日間だったようにも聞こえます。

でも、実際は少し違います。

東京都心で続いていたのは、「一日中雨だった日」が37日続いた記録ではなく、「その日のどこかで降水が観測された日」が37日連続した記録です。

だから、昼間に晴れ間があった日も含まれます。

そして2026年10月3日、東京では降水が観測されず、8月27日から10月2日まで続いていた37日間の記録が途切れました。気象庁の東京の観測値でも、10月3日の降水量は「–」となっています。(気象庁)

東京で37日連続の降水を観測した記録と10月3日に晴れた様子を対比したイラスト

※ 本文中の画像は、記事の理解を助けるためにAIで制作したイラストです。実際の写真ではなく、人物・場所・状況の表現が実際と一部異なる場合があります。

では、「37日連続の雨」という数字は何を数えていたのでしょうか。

「37日連続」は、何が37日続いたという意味?

8月27日から10月2日まで東京で37日連続の降水を観測し10月3日に途切れた流れを示すカレンダー

東京都心では、8月27日から10月2日まで、37日間連続で降水が観測されました。

9月28日に33日連続となって2019年の最長記録に並び、翌29日に34日となって記録を更新。その後も30日、10月1日、2日と途切れず、最終的に37日まで伸びました。これまでの最長は2019年6月27日〜7月29日の33日間でした。(ウェザーニュース)

日付で整理するとこうなります。

日付 状況
8月27日 連続降水が始まる
9月28日 33日連続、2019年の記録に並ぶ
9月29日 34日連続となり最長記録を更新
10月1日 36日連続
10月2日 37日連続
10月3日 降水なし、記録終了

ここで大切なのは、「37日間、24時間ずっと雨が降り続けた」という意味ではないことです。


晴れた時間があったのに、なぜ「雨の日」に数えられるの?

気象庁の降水量0.0mmと降水なしを表す記号の違いを説明した図

気象データを見ると、ここが少しややこしく感じます。

気象庁の気象台などのデータでは、降水量の欄に「0.0mm」と書かれている日があります。

普通に見ると「ゼロなのだから雨は降っていない」と思いそうですが、気象庁は「0.0mm」について、降水はあったものの0.5mmに達しなかった場合と説明しています。

一方、過去の気象データ検索では、降水そのものがなかった日は「–」と表示されます。(気象庁)

つまり、

表示 意味
0.0mm 降水はあったが0.5mm未満
0.5mm以上 測定可能な降水量として記録
— 降水なし

という違いがあります。

そのため、ほんの短時間だけ弱い雨が降り、その後は晴れた日でも、「降水が観測された日」にはなり得ます。

実際、10月1日は日付が変わった直後の0時02分に0.5mmの雨が観測され、連続記録は36日に伸びました。しかし、その日はその後、天気が回復して日差しも届いています。(ウェザーニュース)

「雨が観測された」ことと「一日中雨だった」ことは、まったく同じではないのです。


では「37日連続の雨」という見出しは間違いなの?

間違いというわけではありません。

ただし、「雨の日」という言葉には基準によって違う意味があるため、数字だけを見ると誤解しやすい表現です。

気象庁も「雨日数」という言葉を使う場合、何mm以上を対象にするのか基準を明確にするよう説明しています。たとえば季節予報では、日降水量10mm以上の日数を「雨日数」としています。(気象庁)

今回話題になった37日という数字は、「毎日10mm以上降った日数」ではありません。

東京で降水が観測された日が、8月27日から一度も途切れず続いたという記録です。

「37日間ずっと雨」と「37日連続で降水を観測」は、似ているようで意味がかなり違います。


なぜ2026年は、ここまで雨が途切れなかったの?

2026年9月に秋雨前線と暖かく湿った空気が東日本太平洋側へ雨をもたらした仕組み

同じ雨雲が37日間、東京の上に居座っていたわけではありません。

2026年9月は、本州付近に秋雨前線が停滞することが多く、そこへ暖かく湿った空気が流れ込みやすい状態が続きました。

気象庁によると、太平洋高気圧と一体化した高気圧の縁や、日本の南海上の低圧部の周辺を通って暖かく湿った空気が入り、秋雨前線の活動が非常に活発になりました。(気象庁)

さらに9月は、台風24号、25号、26号などの影響も重なっています。

上旬には台風24号や湿った空気によって秋雨前線が活発化し、下旬には台風25号の影響で関東甲信を中心に記録的な大雨となった地域もありました。下旬後半には台風26号の影響も加わり、東日本を中心に曇りや雨の日が続きました。(気象庁)

つまり、37日という記録は一つの原因だけでできたものではありません。

秋雨前線が停滞しやすい状態に、暖かく湿った空気や複数の台風などが次々と重なった結果、雨の「途切れ目」がなかなかできなかったと考えると分かりやすいでしょう。


本当に雨が多かった?「37日」という日数だけではない

2026年9月の東日本太平洋側で降水量が平年比236%、日照時間が46%だったことを示す比較図

「少しでも雨が降れば1日と数えるなら、大した長雨ではなかったのでは?」

そう思うかもしれません。

しかし2026年9月は、雨量そのものも異例でした。

気象庁によると、東日本太平洋側の9月の降水量は平年比236%。1946年に地域統計を開始して以降、9月として最も多くなりました。

反対に、日照時間は平年比46%で、9月として過去最少でした。(気象庁)

東日本太平洋側・2026年9月 平年比 1946年以降
月降水量 236% 9月として最多
月間日照時間 46% 9月として最少

つまり、「微量の雨まで数えたから37日になっただけ」と片付けられる状況でもありません。

降水が途切れなかったことと、実際に雨が多く日照が少なかったことが同時に起きた9月だったのです。


「1876年以降で最長」と「1946年以降で1位」、なぜ年が違う?

東京の連続降水記録33日と37日、東日本太平洋側の月間統計の開始年の違いを説明する図

今回のニュースでは、

「1876年以降で最長」

という数字と、

「1946年以降で9月として1位」

という数字が出てきます。

これは矛盾ではありません。比べている統計が違うからです。

37日連続という記録は、東京都心の観測地点で降水が何日続いたかという地点ベースの記録です。9月29日に34日連続となった時点で、ウェザーニュースは1876年以降の統計で最長になったと報じています。以前の最長は2019年の33日でした。(ウェザーニュース)

一方、236%という降水量や46%という日照時間は、「東日本太平洋側」という広い地域を対象とした月間統計です。こちらについて気象庁は1946年以降の統計で比較しています。(気象庁)

ニュースで「観測史上1位」と見たときは、何を、どの地点・地域で、いつから比較しているのかまで見ると数字を理解しやすくなります。


10月3日、何が変わって記録が終わったの?

10月3日は移動性高気圧が日本付近を広く覆い、関東でも日中は青空が広がりました。(ウェザーニュース)

気象庁の東京の観測データを見ると、10月1日と2日には降水が記録されていますが、3日の降水量欄は「–」、つまり降水なしとなっています。(気象庁)

記録が止まる条件は複雑ではありません。

たとえ前日まで37日続いていても、次の一日で一度も降水が観測されなければ、そこで連続記録は終了します。

だから10月3日は、単なる「久しぶりの晴れ」以上に、東京の長い連続降水記録に区切りをつけた一日になったのです。


【結論】このニュースは、こう理解すればいい

東京の「37日連続の雨」は、37日間ずっと雨が降り続けていたという意味ではありません。

8月27日から10月2日まで毎日、その日のどこかで降水が観測され、一日も途切れなかったという記録です。

気象庁の観測では「0.0mm」でも微量の降水があった場合があり、「–」という降水なしの表示とは意味が違います。

そのため、晴れ間があった日や、ほんの短い時間だけ雨が降った日も連続記録に含まれます。

ただし2026年9月は記録の数え方だけが特殊だったわけではありません。東日本太平洋側では降水量が平年の236%、日照時間は46%となり、いずれも9月として1946年以降の記録を更新しました。

背景には、停滞しやすかった秋雨前線、暖かく湿った空気、複数の台風などがありました。

そして10月3日、東京で降水が観測されなかったことで、37日間続いた記録は終了しました。


東京の37日連続降水、気になる疑問から読み解く

Q. 東京では本当に37日間ずっと雨が降っていたのですか?

いいえ。37日間、24時間ずっと雨が降り続けていたわけではありません。その日のどこかで降水が観測された日が37日連続したという意味です。

Q. 37日連続の雨はいつからいつまでですか?

2026年8月27日から10月2日までです。10月3日に降水が観測されず、連続記録が途切れました。

Q. 晴れた日があったのに、なぜ連続記録になるのですか?

昼間に晴れていても、未明や夜など一日のどこかで降水が観測されれば連続降水に含まれます。10月1日も未明に雨が観測された後、日中には日差しが届きました。

Q. 気象庁の「0.0mm」は雨が降らなかったという意味ですか?

必ずしもそうではありません。気象台などでは「0.0mm」は降水があったものの0.5mmに達しなかった場合、「-」は降水がなかった場合として区別されています。

Q. これまで東京で最も長かった記録は何日ですか?

2019年6月27日から7月29日までの33日間でした。2026年9月29日に34日となり、この記録を上回りました。

Q. なぜ2026年9月は雨が多かったのですか?

本州付近で秋雨前線が停滞することが多く、暖かく湿った空気が流れ込みやすい状態が続いたためです。さらに台風24号、25号、26号などの影響も重なりました。

Q. 2026年9月の雨は平年と比べてどれくらい多かったのですか?

東日本太平洋側では月降水量が平年比236%でした。1946年以降、9月として最も多い記録です。

Q. 日照時間も少なかったのですか?

はい。東日本太平洋側の9月の日照時間は平年比46%で、こちらも1946年以降の9月として最少となりました。

Q. 「1876年以降で最長」と「1946年以降で1位」は矛盾しないのですか?

矛盾しません。37日連続は東京という観測地点の連続降水記録、1946年以降という数字は東日本太平洋側の月降水量・日照時間という地域統計で、比較しているデータが異なります。

今日のニュースほどき、理解の助けになりましたか?🙂 これからも、ニュースの「なぜ?」をやさしく、わかりやすくほどいていきます!


主な情報源

37日連続の降水・記録終了

ウェザーニュース「関東は曇りや雨で気温上がらず 東京都心は37日連続の降雨に」

気象庁「東京 2026年10月 日ごとの値」

ウェザーニュース「関東は天気回復し秋晴れに 東京の連続降水記録もストップか」

連続記録・観測値の読み方

ウェザーニュース「東京は今日で34日連続の降水を観測 今後の見通しは?」

ウェザーニュース「東京で未明に降水観測 連続降水記録は36日に更新 昼間は日差しが届く」

気象庁「過去の気象データ検索 FAQ」

気象庁「降水に関する気象用語」

9月の記録的な多雨・日照不足

気象庁「2026年9月の天候」

気象庁「9月の東日本太平洋側の記録的な多雨・日照不足と今後の見通しについて」


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