石油大国ロシアで、なぜガソリン不足?製油所攻撃と戦時経済の代償
「ロシアでガソリンが足りない」と聞くと、少し不思議な気がしませんか。
ロシアといえば、世界有数の石油・天然ガス生産国です。海外に大量のエネルギー資源を売っている国なのに、自国のガソリンスタンドでは給油を待つ車の列ができ、購入量が制限される事態まで起きています。
石油そのものがなくなったのでしょうか。
実は、問題はそこではありません。原油を持っていることと、それを自動車で使えるガソリンに変えられることは、まったく別の話なのです。
さらに厄介なのは、燃料不足が単独で起きているわけではないことです。
ウクライナによる製油所への攻撃、欧米の経済制裁、戦争による人手不足、物価高、そして政府の巨額の軍事支出。これらが複雑に重なっています。

※ 本文中の画像は、記事の理解を助けるためにAIで制作したイラストです。実際の写真ではなく、人物・場所・状況の表現が実際と一部異なる場合があります。
しかも、ロシア経済にはもう一つ意外な事実があります。
戦争が始まってから、ロシアの経済成長率は一時的に大きく上昇しました。ところが、その勢いは長続きせず、2026年には成長が大幅に鈍化しています。
経済が成長していたのに、なぜ今になって問題が目立つようになったのでしょうか。
その仕組みを、まずは最近起きた製油所攻撃から見てみましょう。
ロシアの製油所で、いま何が起きているのか?

2026年10月15日、ロシア西部のリャザン州にある製油所が、ウクライナのドローン攻撃を受けました。
ロシアの地元当局は製油所で火災が発生したと発表し、ウクライナ側も攻撃したことを明らかにしています。
この攻撃には、直前の外交的な動きも関係しています。
トランプ米大統領は10月11日、ロシアとウクライナがエネルギー施設への攻撃停止に合意したと発表しました。しかし、この「エネルギー停戦」はロシアとウクライナの双方が合意を確認したものではありません。
ウクライナ側はロシアによる自国のエネルギー施設への攻撃が続いているとして、製油所への攻撃を再開する姿勢を示しました。
つまり、米国が発表した攻撃停止の構想が実際には定着しないまま、再び製油所が攻撃対象となったのです。(FNNプライムオンライン・Reuters)
突然始まった問題ではない
ロシアの燃料不足は、10月15日の攻撃で初めて起きたわけではありません。
2026年の春から夏にかけて、各地で供給不足が報告されていました。8月にはモスクワ周辺も含む複数の地域で、ガソリンの販売制限や給油待ちの列が問題になっています。
ロイターは8月19日、モスクワの一部給油所で1台当たり30リットルや40リットルなどの購入制限が導入されたと報じました。
ただし、制限内容は販売会社や地域によって異なり、ロシア全土で同じ制限が適用されたわけではありません。(Reuters)
ここで気になるのは、なぜ原油を大量に生産する国が、このような供給不足に陥るのかという点です。
石油が豊富なのに、なぜガソリンが足りなくなるのか?

ロシアで足りなくなっているのは、主に自動車などで使うガソリンをはじめとする石油製品です。
原油とガソリンは、同じものではありません。
地中から採掘した原油は、そのまま一般的な自動車に入れて使うことはできません。製油所で加熱・分離・加工することで、ガソリンや軽油、航空燃料などに変わります。
| 種類 | どんなもの? | 主な用途 |
|---|---|---|
| 原油 | 地中から採掘した未精製の石油 | 石油製品の原料 |
| ガソリン | 原油から精製した燃料 | 乗用車など |
| 軽油 | 原油から精製した燃料 | トラック、バス、建設機械など |
| 航空燃料 | 原油から精製した燃料 | 航空機など |
この違いを、身近なもので考えてみましょう。
例えば、小麦を大量に収穫できる国でも、製粉工場やパン工場が止まってしまえば、店頭に並ぶパンが不足することがあります。
小麦がなくなったわけではありません。
小麦を食べられる製品に変える工程が止まったことが問題なのです。
ロシアの燃料不足も、これと似た構造です。
国内に原油があっても、製油所の設備が停止すれば、ガソリンなどの生産量が減ります。
さらに、製油所から各地域に燃料を運ぶ物流網まで影響を受ければ、特定の地域で不足がいっそう深刻になる可能性があります。
ただし、原油そのものが不足していないことと、国内のどこでも燃料が十分に届くことは別問題です。
原油の生産、精製、輸送、販売のどこかで問題が起きれば、給油所の品不足につながります。
では、ウクライナはなぜ製油所を繰り返し攻撃しているのでしょうか。
ウクライナは、なぜロシアの製油所を狙うのか?

ウクライナが製油所を狙うのは、ロシアの燃料供給と経済活動に負担をかけるためです。
製油所は単なる工場ではありません。
乗用車、物流トラック、農業機械、建設機械など、さまざまな活動に必要な燃料を生み出す重要な施設です。
燃料供給が不安定になれば、輸送費や生産費が上がり、企業活動にも影響します。
軍事面でも、燃料の供給体制に負担がかかることは無視できません。ただし、民間のガソリン不足がそのまま軍の燃料枯渇を意味するわけではありません。軍用燃料の備蓄や優先配分については別に考える必要があります。
製油所のすべてが破壊されたわけではない
ロシアの製油所攻撃を理解するうえで注意したいのは、攻撃を受けた施設が必ず全面停止するわけではないという点です。
製油所には複数の処理装置があります。一部が停止しても、ほかの装置で生産を続けられる場合があります。
一方、重要な処理装置が損傷すれば、施設全体が破壊されていなくても生産量が大きく減ることがあります。
2026年9月には、ロシアのシズラニ製油所とサラトフ製油所が、ドローン攻撃による設備の損傷などで稼働を停止したと報じられました。(Reuters)
10月15日のリャザン製油所攻撃についても、主要な原油処理装置の一つが停止する一方、ほかの装置は稼働を続けていると報じられています。
つまり、「製油所が攻撃された」というニュースを見たときには、被害の範囲と実際の生産停止規模を分けて考える必要があります。
修理が難しくなる理由
製油所は、多数の精密な設備を組み合わせて運転する大規模な産業施設です。
修理には専用部品、技術者、設備の交換工事などが必要になります。
ロシアは欧米の経済制裁によって、一部の産業用設備や技術の調達に制約を受けています。そのため、通常より修理や設備更新が難しくなる場合があります。
ただし、必要な部品をすべて輸入できないわけではなく、国内調達や第三国経由での入手、既存設備の転用などが行われる余地もあります。
問題は、一度直しても再び攻撃を受ける可能性があることです。
修理が終わる前に別の施設が停止すれば、供給不足が長引きます。
こうした攻撃は、一度の大きな損害だけでなく、復旧を繰り返さなければならない負担も生みます。
輸出するほど石油があるのに、燃料を輸入するのはなぜ?

燃料の国内供給が足りなくなれば、政府は輸出を制限し、必要に応じて国外から石油製品を調達することがあります。
実際、ロシアでは2026年にガソリンなどの輸出規制や、石油製品の輸入拡大が行われました。
8月末には、ガソリンの国内生産量が需要の約70%にまで落ち込んだと、ロイターが業界関係者の情報を基に報じています。
これは8月末の特定時点に関する推計であり、10月現在も同じ割合が続いているという意味ではありません。
それでも、国内の供給体制に大きな負担がかかっていたことはわかります。(Reuters)
原油輸出と燃料輸出は別の話
ロシアが原油を海外に売っているからといって、国内のガソリンまで十分に生産できているとは限りません。
原油の輸出によって外貨を稼ぐことと、製油所でガソリンを生産し、国内の需要を満たすことは別の活動です。
さらに、製油所が正常に動いている地域から不足している地域へ燃料を運ぶには、鉄道や道路などの物流も必要になります。
このため、国全体の生産量だけでなく、地域ごとの流通状況も重要です。
9月末には、ロシア政府が軽油の輸出規制を10月末まで延長したと報じられました。しかし、その後方針が変わり、10月12日にはロシア政府が軽油の輸出規制を解除したと発表しています。国内供給の逼迫だけでなく、国際燃料価格や輸出収入をめぐる政策判断も変化しているのです。(Reuters)
かつて海外へ売っていた燃料を国内向けに確保し、それでも不足する分を輸入する。一方で、供給や政策の状況が変われば輸出を再開することもあります。
石油大国で起きているのは、原油資源そのものの消滅ではなく、精製能力と供給体制の問題なのです。
戦争が始まった後、ロシア経済はなぜ一時的に成長したのか?

ロシア経済が戦争開始後も成長した大きな理由の一つは、政府の巨額の支出です。
戦争には兵器、弾薬、軍用車両、軍服、通信機器など、多くの物資が必要です。
政府がそれらを大量に発注すれば、軍需企業の生産が増えます。企業は人を雇い、給料を払い、働く人たちはそのお金を使います。
こうした経済活動は、GDPにも反映されます。
GDPは、国内で一定期間に新たに生み出された付加価値を示す指標です。
生活に役立つ家電製品も、軍が購入する兵器も、経済的な付加価値を生み出せばGDPに含まれます。
そのため、GDPが増えたからといって、国民の生活が同じ割合で豊かになったとは限りません。
成長率は実際にどれだけ変わった?
| 年 | ロシアの実質GDP成長率 | 状況 |
|---|---|---|
| 2024年 | 4.9% | 高い成長率を記録 |
| 2025年 | 1.0% | 成長が大幅に減速 |
| 2026年 | 0.9% | IMFの10月時点予測 |
2024年と2025年の数字はロシア連邦統計局の公表値、2026年の数字は国際通貨基金(IMF)の予測に基づきます。(ロシア中央銀行・Interfax)
2024年には4.9%だった成長率が、翌2025年には1.0%へ低下しました。
そして2026年についても、IMFは10月の見通しで0.9%の成長を予測しています。
もちろん、プラス成長である以上、これを直ちに「ロシア経済が崩壊した」と表現するのは正確ではありません。
ただ、戦争に伴う政府支出で生まれた高成長が、長く維持できなかったことは数字にも表れています。
兵器生産が増えても、暮らしが豊かになるとは限らない
軍需産業で仕事が増えること自体は、雇用や所得を押し上げます。
一方で、軍用車両や弾薬を大量に作っても、それらが家庭で使う商品として市場に並ぶわけではありません。
戦争による支出が経済を支える一方、一般の消費者が必要とする商品の生産能力や、将来の成長に必要な設備投資が圧迫される可能性があります。
さらに、政府の発注が軍需産業に集中すると、高い賃金を提示できる企業へ人材が集まり、民間企業が人手を確保しにくくなります。
こうした負担が、戦争の長期化とともに目立つようになってきたのです。
戦争による支出が増えると、なぜ物価も上がるのか?

政府支出が増えて人々の所得が増えると、商品やサービスを買おうとする需要も強まります。
通常なら、企業が生産を増やすことで需要に対応できます。
しかし、ロシアでは戦争による人手不足や設備の制約、輸入の難しさなどが、生産を増やす妨げになっています。
買いたい人が増えても、売る商品を十分に用意できなければ価格は上がりやすくなります。
しかも、燃料不足が輸送費を押し上げれば、食品や日用品などの流通コストにも影響する可能性があります。
ロシアの金利はいま何%?
ロシア中央銀行の政策金利は、2026年9月の決定時点で年14.0%です。
一方、2026年9月の消費者物価上昇率は前年同月比約6.4%でした。中央銀行が目標とする4%を上回っています。(ロシア中央銀行・Interfax)
14%という政策金利は、企業にとって軽い負担ではありません。
銀行からお金を借りて工場を建てたり、新しい設備を導入したりする際の資金調達コストに影響します。
家計でも、住宅ローンや消費者向けの借り入れが高くなれば、自由に使えるお金が減る可能性があります。
企業が設備投資を控えれば、将来の生産能力を高めることも難しくなります。
物価を抑えるための高金利が、企業や家計の活動を冷やすという難しい状況です。
戦費はどれくらい大きい?
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、ロシアの2025年の軍事支出は推計約1,900億ドルで、GDPの7.5%に相当します。
この金額は米国、中国に次ぐ世界第3位の規模でした。(SIPRI)
もっとも、2026年の当初予算では軍事支出を抑える計画も示されており、支出が毎年同じ勢いで増え続けると決まっているわけではありません。
重要なのは、巨額の軍事支出が国の財政と人材配分を長期間にわたって左右していることです。
兵器の生産や軍人への支払いは、一時的には所得と需要を支えます。
しかし、それだけでは民間産業の生産性や将来の生活水準が高まるとは限りません。
それでもロシアは石油で稼いでいる?経済制裁との複雑な関係

ロシア経済は減速していますが、石油や天然ガスの輸出収入が完全になくなったわけではありません。
ここが、現在のロシア経済を理解するうえで少しややこしいところです。
製油所への攻撃でガソリンの国内供給が苦しくなる一方、国際原油価格が上昇すれば、原油を輸出することで得られる収入が増える可能性があります。
実際、ロイターは2026年10月のロシアの石油・ガス関連税収について、前年同月より約10%増えるとの見通しを報じています。
ただし、これは四半期ごとの税金の納付時期などにも影響された数字です。
同じ報道では、2026年1〜10月の累計税収は前年同期を約14%下回る見込みとされています。(Reuters)
つまり、最近の原油高がロシアの収入を支える面はあるものの、それだけで経済全体の問題が解決したわけではありません。
欧州の「価格上限」は何を制限する制度?
欧州連合(EU)などが導入したロシア産原油の価格上限制度は、単純に世界中でロシア産原油を買えなくする制度ではありません。
一定の条件を超える価格で取引されるロシア産原油について、欧州などの事業者による海上輸送や保険などのサービス提供を制限する仕組みです。
狙いは、原油の国際市場への供給を完全に止めずに、ロシアが得る収入を抑えることでした。
EUの原油価格上限は、2022年に1バレル60ドルで始まり、その後引き下げられ、2026年2月からは44.10ドルという水準が適用されました。(欧州委員会)
ただし、2026年7月には中東情勢による原油市場の混乱を受け、EUが価格上限の自動調整を一時停止する措置を採用しています。(EU理事会)
制裁の内容も、国や時期によって異なります。
第三国で精製すれば、ロシア産ではなくなる?
もう一つ問題になったのが、ロシア産原油を第三国で精製してから輸出する取引です。
例えば、インドなどでロシア産原油を購入し、現地でガソリンや軽油などに加工する場合です。
完成した石油製品は原油とは異なる商品として取引されるため、原油の産地と製品の輸出国が一致しないことがあります。
このような取引への対策として、EUは2026年1月21日から、原則としてロシア産原油を第三国で精製した特定の石油製品についても輸入を禁止しています。ただし、一定のパートナー国などには例外があります。(EUR-Lex)
また、ロシア産原油の取引を支える、所有関係などが不透明なタンカー群は「影の船団」と呼ばれ、欧州の制裁対象となっています。
一方で、2026年10月には米国がロシア産軽油の供給を増やすため、一部制裁を緩和する動きも報じられました。世界的な燃料価格の高騰が背景にあります。(Reuters)
ここからわかるのは、制裁をめぐる政策が必ずしも一方向に強化されるだけではないということです。
ロシアの収入を減らしたい一方、世界の燃料供給が減りすぎれば、制裁を実施する側の国々にも物価高という負担が生じます。
この難しい関係が、原油をめぐる政策を複雑にしています。
ロシアの燃料不足は、日本のガソリン価格にも関係するのか?

ロシアの製油所問題は、日本のエネルギー価格にも間接的に影響する可能性があります。
日本のガソリン価格は、国際原油価格だけで決まるわけではありません。
為替相場、精製コスト、輸送費、国内の需給状況など、複数の要因が関係しています。
それでも、世界の大きな燃料供給国で生産が減れば、国際市場全体の需給に影響することがあります。
原油だけでなく、軽油の供給も重要
軽油は、トラックや物流関連の機械などで広く使われる燃料です。
世界的に軽油が不足し価格が上昇すれば、輸送にかかる費用も上がりやすくなります。
輸送費の上昇が続けば、企業が販売価格に転嫁し、食品や日用品などに影響が広がる可能性があります。
国際エネルギー機関(IEA)は2026年10月、ロシアや中東などでの供給混乱を背景に、世界的な軽油の需給逼迫が2027年まで続く可能性を示しています。(Reuters)
ただし、世界的な燃料高はロシアの製油所攻撃だけで起きているわけではありません。
中東情勢、原油の輸送経路、製油所の稼働状況、需要の変化なども重なっています。
したがって、ロシアのニュースだけを見て日本のガソリン価格がいくら上がるかを予測することはできません。
日本で考えるべきなのは、一つの国の燃料供給の混乱が、国際市場を通じてほかの国にも波及し得るという構造です。
【結論】このニュースは、こう理解すればいい
ロシアは世界有数の産油国ですが、原油が豊富であることと、国内で使うガソリンが十分に供給されることは同じではありません。
ウクライナによる製油所への攻撃が繰り返され、石油製品の生産や供給に負担がかかっています。ロシア政府は輸出規制や輸入によって対応してきましたが、2026年にも燃料不足が問題になりました。10月には軽油輸出規制を解除するなど政策の変更もあり、燃料の国内需給と海外への供給は別々に確認する必要があります。
さらに、戦争を支える巨額の政府支出は、一時的にロシア経済の成長を押し上げた一方、軍需産業への資源集中、人手不足、物価高などの問題にもつながっています。
2024年に高い成長率を記録したロシア経済は、2025年に大幅に減速し、2026年も低成長が予測されています。
ただし、原油輸出による収入は依然として重要で、国際原油価格の上昇がロシア財政を支える面もあります。
「ロシア経済がすでに崩壊した」というよりも、「石油収入で持ちこたえながら、戦争による経済的な負担が長期化している」と理解するのが適切でしょう。
今後は、製油所の復旧と再攻撃の状況、国内の燃料供給、物価と金利、そして石油輸出収入がどう変わるかが重要になります。
ロシアのガソリン不足、気になる疑問から読み解く
Q. ロシアは石油が豊富なのに、なぜガソリンが不足するのですか?
原油とガソリンは別のものだからです。原油をガソリンに加工する製油所が攻撃や設備の問題で停止すると、原油があってもガソリンの生産量が減ることがあります。
Q. ロシアの製油所はすべて破壊されたのですか?
いいえ。攻撃を受けた施設でも、一部の設備が停止する一方で、ほかの設備は稼働を続けている場合があります。施設の被害と生産能力への影響は分けて考える必要があります。
Q. ロシアでは現在もガソリンの購入制限があるのですか?
2026年8月にはモスクワ周辺を含む地域で購入制限が報じられました。ただし、地域や販売会社によって状況が異なるため、10月現在の全国一律の制限として扱うことはできません。
Q. ロシアはガソリンや軽油を海外へ輸出できなくなったのですか?
すべての輸出が恒久的に停止したわけではありません。2026年には国内供給を優先する輸出規制が導入されましたが、軽油については10月に規制が解除され、輸出が再開しました。品目と時点を分けて見る必要があります。
Q. 戦争が始まったのに、ロシアのGDPが成長したのはなぜですか?
政府の軍事支出が増え、兵器や軍需物資の生産、雇用、所得が増えたことなどが一因です。軍需生産もGDPに反映されますが、それが国民生活の改善と同じ意味になるわけではありません。
Q. ロシア経済は2026年にマイナス成長になったのですか?
少なくともIMFの2026年10月時点の年間予測では、実質GDP成長率はプラス0.9%です。成長が大幅に鈍化していることと、年間GDPが縮小すると確定したことは異なります。
Q. ロシアの石油収入は経済制裁で完全に止まったのですか?
いいえ。石油・天然ガス関連の収入は今もロシア財政を支えています。制裁はその収入や取引を制限する仕組みであり、国際価格や各国の政策変更によって実際の収入は変動します。
Q. 燃料不足でロシア軍の活動も止まるのですか?
国内の燃料不足だけで軍の活動停止を断定することはできません。軍には独自の備蓄や供給経路がありますが、製油能力や物流への負担が長引けば、戦争を支える経済全体に影響する可能性があります。
Q. 日本のガソリン価格も必ず上がりますか?
必ず上がるとは限りません。ロシアの石油製品供給の減少は国際市場に影響しますが、日本の価格は中東情勢、為替、原油価格、国内の流通コストなど複数の要因によって決まります。
今日のニュースほどき、理解の助けになりましたか?🙂
これからも、ニュースの「なぜ?」をやさしく、わかりやすくほどいていきます!
主な情報源
製油所攻撃と燃料不足の状況
FNNプライムオンライン|ウクライナ、ロシア製油所への攻撃を再開(2026年10月16日)
Reuters|ウクライナ、リャザン製油所を攻撃(2026年10月15日)
Reuters|モスクワの給油所で販売制限(2026年8月19日)
Reuters|ロシアのガソリン生産量と国内需要の不足(2026年8月28日)
Reuters|シズラニ・サラトフ製油所の稼働停止(2026年9月16日)
Reuters|ロシアの軽油輸出再開(2026年10月15日)
経済成長・物価・軍事支出
ロシア中央銀行|2024年・2025年のGDP成長率を含む政策議論の要約
IMF|World Economic Outlook, October 2026
Interfax|IMFによるロシアの2026〜2027年成長率予測
石油収入・制裁の仕組み
Reuters|ロシアの2026年10月の石油・ガス税収見通し
国際燃料市場への影響
あわせて読みたい
ロシアの製油所問題は、なぜ世界の軽油不足につながるの?
ロシアだけでなく中東の混乱も重なり、原油が市場にあっても軽油が足りない状況が続いています。G7が備蓄放出を決めた背景を追うと、世界の燃料供給網で何が詰まっているのかが見えてきます。