NEOMは中止されたのか? 170km都市「THE LINE」から港・物流・水素へ変わる現在地
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- ALT_TEXT: 巨大なTHE LINEの構想と港湾・水素事業へ軸足を移す現在のNEOMを対比したイラスト
- 대표이미지 축약문구: NEOMは終わったのか?
- 이미지 핵심 장면: 左側に砂漠へ延びる巨大な鏡張りのTHE LINE構想、中央で建設が止まるような視覚的転換、右側にコンテナ港・データセンター・グリーン水素設備が稼働する場面
- 주요 인물/사물: THE LINE、砂漠、建設クレーン、Port of NEOM、コンテナ、データセンター、グリーン水素設備
- 추천 구도: 16:9横長。左の未来都市CG的ビジョンから右の実用的産業インフラへ視線が移る構図
- 분위기: 未来的だが落ち着いたニュース解説調
- 시각적 강조 포인트: 「巨大な夢」から「実際に稼働する産業」への変化
- 반드시 표현해야 할 요소: THE LINEを象徴する2枚の巨大な鏡壁、港湾・物流・水素設備
- 피해야 할 표현: 廃墟化した都市、完全崩壊を示す爆発や破壊、サウジアラビア全体が破綻したような表現
「あの、砂漠を170kmも一直線に走る“鏡の街”は結局どうなったの?」
NEOM(ネオム)の「THE LINE」を覚えている人なら、今いちばん気になるのはそこかもしれません。
高さ500m級の巨大建築を砂漠に延ばし、最終的には約900万人が暮らす――。そんなSF映画のような構想で世界を驚かせました。
ところが2026年になると、ニュースはまったく違う方向に動き始めています。
THE LINEのさらなる建設を2030年より後まで先送りするとの報道が出て、NEOM関連の高速鉄道契約も終了しました。 (Semafor · Webuild)
さらに、NEOMの山岳リゾートTrojenaで予定されていたサウジ開催は後ろ倒しされ、2029年冬季アジア大会はカザフスタン・アルマトイで開催されることになりました。 (OCA)
では、NEOMは本当に「失敗して終わった」のでしょうか。
答えは、そこまで単純ではありません。
当初の巨大な未来都市構想は大きく後退しています。一方でNEOMそのものは残り、港湾・物流・AI関連インフラ・グリーン水素など、より現実的に収益を生みやすい事業へ重心が移っています。

つまり今起きているのは、「NEOMが消えた」というより、最初に世界へ見せた夢と、実際に優先する事業が大きく変わったということです。
まず結論、NEOMそのものが中止されたわけではない

NEOMはTHE LINEだけを指す名前ではありません。
サウジアラビア北西部で進められている巨大開発地域全体の名称で、その中にTHE LINE、山岳リゾートのTrojena、工業・物流都市Oxagon、島嶼リゾートなど複数の計画があります。
サウジの政府系ファンドPIFが2026年4月に発表した2026~2030年戦略でも、NEOMは六つの主要投資エコシステムの一つとして残っています。 (PIF)
PIF総裁ヤシル・アルルマイヤン氏も、NEOMのプロジェクトがすべて取り消されたという見方を否定し、支出の優先順位を組み替えていると説明しています。
その際に示された考え方が象徴的です。
THE LINEを2030年までに完成させることは必須ではない一方、産業拠点のOxagonはNEOMにとって重要な基盤だという位置づけです。 (The National)
現在のNEOM公式サイトでも、THE LINEは消えていません。ただし説明は「段階的で需要に応じた開発(phased, demand-led approach)」という、以前より現実的な言葉になっています。 (NEOM)
170kmのTHE LINEは、いったいどこまで縮んだのか?

ここは数字を時間順に並べると分かりやすくなります。
| 時期 | THE LINEをめぐる主な動き |
|---|---|
| 当初構想 | 全長170km、高さ約500m、最終的に約900万人が暮らす未来都市を構想 |
| 2024年 | Bloombergが、2030年までの整備を約2.4km、居住人口を30万人未満とする方向だと報道 |
| 2025年 | サウジ側がTHE LINEの戦略的な見直しを進めていると報道 |
| 2026年 | Semaforが、さらなるTHE LINE建設を少なくとも2030年より後まで延期したと報道 |
当初の170km・約900万人という規模は、NEOM自身がTHE LINEの長期構想として示してきたものです。 (NEOM)
ところが2024年、Bloombergは、2030年までに完成する区間が約2.4kmに縮小し、同年時点の居住者数も30万人未満になる見通しだと報じました。これは政府の公式な計画撤回ではなく、関係者や内部情報に基づく報道でした。 (Bloomberg)
さらに2025年には、サウジ側が外部コンサルタントを使い、THE LINEの実現可能性と計画変更を含む戦略レビューを進めていることも報じられています。 (Bloomberg)
そして2026年5月、Semaforは関係者の話として、THE LINEのさらなる建設が少なくとも2030年より後まで先送りされたと報じました。 (Semafor)
ここで注意したいのは、「170km計画が正式に消滅した」という公式発表が出たわけではないことです。
一方で、2030年までに当初イメージに近いTHE LINEが出来上がる可能性は、現状では極めて低くなったと見る材料はかなり増えています。
なぜ、ここまで計画を変えることになったのか?

理由を一つに絞ることはできません。
大きいのは、建設コスト、実現までの時間、そして国家全体の投資優先順位です。
THE LINEは世界でも前例のない規模の建築です。Reutersは2024年の段階で、THE LINEだけでも1兆ドルを超える可能性があるとの見方を伝えていました。 (Reuters)
そこへサウジアラビアは、NEOMだけでなく2030年リヤド万博、2034年FIFAワールドカップ、観光、AI、製造業、物流、エネルギーなどにも巨額資金を投入しなければなりません。
2026年予算では、サウジ財務省が財政赤字を約1,650億リヤル(GDP比約3.3%)と見込んでいます。政府は支出効率と財政の持続可能性を掲げており、巨額プロジェクトにも優先順位を付ける必要性が強まっています。 (サウジアラビア財務省)
財務相ムハンマド・アルジャダーン氏も2025年、発表済みプロジェクトであっても必要なら調整、延期、あるいは中止する姿勢を明確にしました。 (Bloomberg)
つまり、「一度発表した巨大計画だから何があっても完成させる」という考え方ではなくなっています。
同じ資金を使うなら、港湾・物流・エネルギー・データ接続など、より早く実用化や収益化につながりやすい分野へ重点を移す。
現在のNEOMには、その方向転換がかなりはっきり表れています。
鉄道契約の終了は、どれほど大きなサインなのか?
2026年5月には、より具体的な動きも確認されました。
イタリアの大手建設会社Webuildは、NEOM側が「Connector High-Speed Line」の契約を終了したと正式に発表しています。
契約終了の発効日は5月27日。工事進捗率は約20%で、Webuildに残っていた受注残は約10億ユーロでした。
しかも同社は、この契約終了によってWebuildがNEOMで行っていたすべての活動が終了したと説明しています。 (Webuild)
ただし、これだけで「THE LINEそのものが正式に中止された」と読むのは正確ではありません。
Connector High-Speed LineはNEOMの交通インフラの一部です。
それでも、すでに進んでいた大型契約を途中で終了するという事実は、NEOMが「発表した計画をそのまま続ける段階」から、既存契約まで含めて事業を選別する段階に入ったことを示す重要な材料です。
2029年冬季アジア大会、サウジ開催は延期されアルマトイへ

NEOMの計画変更を最も分かりやすく示す出来事の一つが、2029年冬季アジア大会をめぐる開催計画の変更です。
サウジアラビアは2022年、NEOM内の山岳リゾートTrojenaで2029年冬季アジア大会を開く権利を獲得していました。西アジア初の冬季アジア大会になるはずでした。 (OCA)
しかし2026年1月、サウジ側とアジア・オリンピック評議会(OCA)は、サウジで予定されていた2029年大会を後ろ倒しすることで合意しました。 (OCA)
そして2月5日、OCAは2029年大会をカザフスタンのアルマトイで開催する正式契約を締結しました。 (OCA)
7月にはOCAによる現地視察も始まり、アルマトイでの準備が実際に進んでいます。 (OCA)
つまり、これは単に「Trojenaの完成を少し待つ」という段階ではありません。
少なくとも2029年大会については、NEOMが掲げた象徴的な国際イベントを予定通り実現する計画が崩れたことになります。
「最初に完成したNEOM」Sindalahも、なぜ別会社へ移ったのか?

もう一つ象徴的なのが、紅海の高級リゾート島Sindalahです。
2024年10月、サウジ国営通信SPAはSindalahの開業を発表し、NEOMの「最初の実物ショーケース」と位置づけました。
当時は招待客を迎え、2028年には1日最大2,400人の利用を想定していました。 (Saudi Press Agency)
ところが2026年6月、ReutersはSindalahが一般客向けには本格開業できない状態が続いた後、サウジの別の国有開発会社Red Sea Globalへ引き継がれることになったと報じました。 (Reuters)
ここでも重要なのは、「NEOMのすべてが消えた」という話ではありません。
むしろ、一度完成をアピールした資産でさえ、より実績のある運営主体へ移して立て直すという現実的な対応が始まっている点です。
では、いま実際に進んでいるNEOMは何なのか?

いまNEOMで存在感が強くなっているのは、派手な未来都市よりも産業インフラです。
中心にあるのがOxagonです。
NEOM公式によると、Port of NEOMはすでに貨物を取り扱っており、現在のコンテナ処理能力は25万TEU。新しいコンテナターミナルを2026年から段階的に立ち上げ、2030年には150万TEU規模を目指しています。 (NEOM)
Oxagonでは再生可能エネルギーや製造業に加え、データセンターなどのデジタルインフラを呼び込む方向も示されています。 (Semafor)
そしてもう一つ、実物の進捗が確認しやすいのがNEOM Green Hydrogen Companyのグリーン水素計画です。
同社はNEOM、ACWA Power、Air Productsによる合弁事業で、投資額は約84億ドルです。 (NEOM Green Hydrogen Company)
2026年3月には全サイトの建設進捗が90%に達し、6月には最終仕上げ段階に入り、通電を伴うコミッショニングが始まったと同社は公表しています。初のグリーンアンモニア製品の供給は2027年を予定しています。 (NEOM Green Hydrogen Company・3月進捗 · 同社公式サイト)
つまり現在のNEOMを見ようとするなら、巨大な鏡壁が何km伸びたかだけを見ると全体像を見誤ります。
「未来都市を見せるプロジェクト」から「港・物流・エネルギー・データインフラを作るプロジェクト」へ重点が移っていると考える方が、現在の姿に近いでしょう。
では、NEOMは「失敗した」と言っていいのか?

ここは「何を基準にするか」を分けて考える必要があります。
| 見方 | 2026年時点で確認できる状況 |
|---|---|
| 170kmのTHE LINEを当初イメージ通り早期に造る | 大幅に後退 |
| THE LINEを2030年の象徴的完成物にする | 優先度低下 |
| Trojenaで2029年冬季アジア大会を開く | 実現せず、アルマトイへ変更 |
| NEOMという開発全体 | 継続 |
| 港湾・物流・水素など実用的事業 | 実際に進行中 |
このため、「NEOMは完全に失敗して消滅した」と言うのは正確ではありません。
しかし、世界が最初にNEOMという名前から想像した170kmの鏡張り未来都市が、当初のスピードと規模から大幅に後退したことも否定しにくくなっています。
言い換えれば、
「NEOMが終わった」のではなく、「最初に売り込まれたNEOMの姿がそのまま実現する可能性が大きく下がった」
というのが2026年時点では最も実態に近い整理です。
これから何を見れば、NEOMの本当の成否が分かる?
これから注目したいのは、CG映像や新しい構想発表ではなく、実際の数字です。
まずTHE LINEです。
今後どのような再設計が示され、いつ新たな本格投資が決まり、実際に何kmが建設されるのか。
次にOxagon。
Port of NEOMのコンテナ取扱量が本当に増え、製造業やAI関連企業が実際に進出するのかが重要になります。
グリーン水素も同じです。
建設進捗率だけではなく、2027年に予定されるグリーンアンモニア製品の供給が始まり、輸出と収益につながるかを見る必要があります。
そしてSindalahやTrojenaのような観光案件が、いつ、どの規模で再始動するのか。
これからのNEOMを判断する材料は「どんな未来を発表したか」ではなく、「何が完成し、誰が使い、どれだけ収益を生んでいるか」へ変わっています。
ニュースほどきの一言まとめ
NEOMそのものは中止されていません。
しかし、世界を驚かせた170kmの未来都市THE LINEは2030年までの優先プロジェクトではなくなり、建設のさらなる拡大も2030年より後へ先送りされたとの報道が出ています。
Trojenaで予定されていた2029年冬季アジア大会はアルマトイ開催へ変更され、Sindalahも別の国有開発会社による立て直しへ移りました。
その一方で、Oxagonの港湾・物流、AI関連インフラ、グリーン水素などは今も具体的に進んでいます。
つまりNEOMの現在地は「巨大プロジェクトの完全消滅」ではなく、170kmの未来都市を中心とした夢から、実際に経済価値を生みやすい産業プロジェクトへの大幅な軌道修正です。
NEOM、気になる疑問から読み解く
Q. NEOMは正式に中止されたのですか?
いいえ。PIFの2026~2030年戦略でもNEOMは主要投資分野の一つに残っており、NEOM公式サイトでも複数事業が継続しています。
Q. THE LINEの170km計画はなくなったのですか?
170kmの長期構想そのものを正式撤回したという発表は確認されていません。ただし、2030年までの建設規模は大きく縮小し、2026年にはさらなる建設を2030年より後まで延期したとの報道が出ています。
Q. THE LINEは2030年までに何km完成する予定だったのですか?
2024年にBloombergは、2030年までの整備区間が約2.4kmになる見通しだと報じました。その後さらに計画の見直しが進んでいます。
Q. 2029年冬季アジア大会はサウジアラビアで開催されないのですか?
2029年大会はサウジアラビアではなく、カザフスタン・アルマトイで開催されます。サウジで予定されていた大会は後ろ倒しされ、OCAは2026年2月にアルマトイと2029年大会の開催都市契約を結びました。
Q. Trojenaのスキーリゾートそのものも中止になったのですか?
Trojena全体の正式中止は発表されていません。ただし2029年冬季アジア大会という大きな期限は失われ、追加投資を2030年以降へ先送りするとの報道もあります。
Q. NEOMで現在もっとも進んでいる事業は何ですか?
Oxagonを中心とした港湾・物流・産業インフラとグリーン水素事業です。Port of NEOMはすでに貨物を扱っており、グリーン水素工場も通電を伴うコミッショニング段階へ入っています。
Q. Sindalahは完成したのではなかったのですか?
2024年にはNEOM初の完成案件として開業が発表されました。しかし2026年には、一般向けの本格運営が進まない中でRed Sea Globalへ引き継がれることになったとReutersが報じています。
Q. NEOMが「失敗」と言われる最大の理由は何ですか?
最初に世界へ示したTHE LINEなどの巨大構想と、現在実際に優先されている計画の間に大きな差が生じたためです。ただし、NEOM全体が消滅したわけではなく、産業・物流・エネルギー分野へ重点が移っています。
今日のニュースほどき、理解の助けになりましたか?🙂
これからも、ニュースの「なぜ?」をやさしく、わかりやすくほどいていきます!
主な情報源
NEOM・THE LINEの現在地と計画見直し
Semafor・THE LINEの2030年以降への先送り報道
費用・財政・契約見直し
Bloomberg・財務相のVision 2030事業見直し発言
Webuild・Connector High-Speed Line契約終了発表
Trojena・Sindalahの変更
OCA・サウジで予定されていた2029年冬季アジア大会の延期
Saudi Press Agency・2024年Sindalah開業発表
Reuters・SindalahのRed Sea Globalへの移管